給湯器の修理はこれで解決!
給湯器の修理はこれで解決!
ガス給湯器の修理はこれで解決!メリット・デメリット、修理費用などを解説!
ガス給湯器の調子が悪くなり、セルフチェックで復旧を試みたものの、最終的に解決に至らなかった場合は、修理または交換を視野に入れて業者に点検を依頼することとなります。
修理と交換、いずれにしても急で無駄な出費は避けたいところです。
本当に修理が必要な症状なのか?自分で直せる方法はないのか?どのくらいの費用がかかるのか?
そんな疑問やお悩みを解決するべく、修理と交換の判断基準やメリット・デメリット、そして気になる修理費用などについて詳しく解説していきます。
ガス給湯器の修理や交換の可能性がある症状
ガス給湯器の故障は、突然起こるケースもあれば、不調のサインを出しながら次第に故障に至るケースがあります。
給湯器の不調は、必ずしも故障に結びつくものではありませんが、ご自身で復旧を試みても症状が改善されない場合は、修理や交換が必要となる可能性が高くなります。
ここでは修理や交換の可能性のある主な症状をご紹介します。
お湯に関する症状
お湯の不調に関する症状は、給湯器の部品劣化が主な原因ですが、給湯器本体だけではなく、水栓や循環アダプター不良なども考えられます。
■お湯に関するよくある症状
①お湯がでない
②給湯温度が一定しない
③お湯がぬるい
④おいだきができない
においや音に関する症状
においや音は、購入から10年以上経過したガス給湯器で多く見受けられる症状と言えます。主な故障の原因は部品の劣化によるものです。
また、ガス給湯器に限らず、配管の腐食によってガス漏れが発生する場合もあります。
■においや音に関するよくある症状
①ガス臭い
②焦げ臭い
③着火時に大きな音がする
④お湯を使用した後でも給湯器の内部からモーター音がする
ガス給湯器の修理や交換を依頼すべき目安
ガス給湯器の修理は、各給湯器メーカーが定める無償保証期間と使用年数によって判断することが一つの目安です。
ガス給湯器メーカーの無償保証期間
メーカー | BL品 | 非BL品 | 延長保証期間 |
ノーリツ | 2年 | 1年 | 3年保証対象品のみ3年間の延長保証(非BL認定品除く) |
リンナイ | 3年間の延長保証 | ||
パロマ | BRIGHTSシリーズ(エコジョーズ)のみ5年間の延長保証 | ||
パーパス | 特定保守製品(FE/FF式給湯器)は3年間の延長保証 |
※BL品とは、財団法人ベターリビングによって優良住宅部品としての認定を受けた認定商品のこと
各給湯器メーカー共に、1~2年の無償保証期間が定められていますが、事前に給湯器の所有者登録を申請している場合は、更に無償保証期間が3年~5年(無償保証期間を含め)の延長となります。
その他、各給湯器メーカー独自の有料延長保証に加入している場合は、上記の表の通り、定められた期間において無償修理が可能であることや、給湯器を設置した業者独自の無償修理保証が付帯されている場合もあります。修理前には今一度、お手元の保証書の内容を確認しておくことが大切です。
<参考>ガス給湯器のBL品表記
メーカー | 製品名の末尾表記 |
ノーリツ/パーパス | 製品名の末尾に「BL」表示あり |
リンナイ | 製品名の末尾に「-E」の表示がない |
パロマ | 製品名の末尾に「L」表示あり |
製品名は、ガス給湯器本体の前板(前面パネル)の銘板シールや取扱説明書、給湯器カタログで確認することができます。
ガス給湯器メーカーの修理対応期間
修理対応期間とは、各メーカーが給湯器の部品を保有している期間のことを指します。 そのため、部品の保有がある場合のみ修理が可能となります。
■ガス給湯器 部品保有期間
主なガス給湯器メーカー | BL認定品 | 非BL認定品 |
ノーリツ | 10年 |
7年 |
リンナイ | ||
パロマ | ||
パーパス |
※点検の結果、必要と見込まれる整備部品(入水・出湯サーミスタ、パッキン等の一部の部品)の保有期間は11年です。
部品の保有期間を考慮した場合は、給湯器の使用年数が6年以内までが修理を依頼すべき目安と言えます。
ガス給湯器の修理よりも交換が望ましいケース
修理よりも交換が望ましいケースは「交換費用が安い」「7~10年を経過したガス給湯器の故障」の2通りが考えられます。
■ガス給湯器の交換費用が安い
修理費用よりも交換費用が安い場合は勿論のこと、交換費用と比較してそれほどの金額差がない場合は、交換がおすすめです。
■7年~10年を経過したガス給湯器の故障
7年~10年を経過したガス給湯器は、当該箇所の修理をおこなったとしても別の部品の経年劣化で再び故障するリスクが高く、修理の度に費用が積み重なります。
また、経年劣化によるガス漏れや不完全燃焼などの危険性も高まるため、交換がおすすめです。
ガス給湯器の修理、メリットとデメリット
修理なのか交換なのか、今後の判断材料の参考として、修理のメリットとデメリットを下記にまとめました。
■ガス給湯器の修理メリット
・無償保証期間内は、修理費用が無料で出費がない。
・故障箇所によっては、交換するより費用が安く済む場合がある。
・部品の供給があれば、即日復旧できる。
■ガス給湯器の修理デメリット
・7年以上使用した給湯器は、部品の保有がない可能性がある。
・当該部品以外にも部品の劣化が懸念される。
・修理が不可の場合でも出張費と点検費がかかる。
DIYで給湯器修理はできる?
ご自身によるDIYの修理は、できる範囲が限定されます。
ではできる範囲は?とその内容を知りたいと思われますが、何よりも重要なことは安全に修理を実施できることが大前提です。
安全な修理には、まず高度な知識や技術を備え、必要な資格を所持していることが必要です。
そのため、プロの技術者以外の方は、安全面の観点からDIY修理はおすすめしません。
DIYで給湯器修理が可能な範囲
??浴槽内の循環アダプターフィルターの交換
??給湯給水配管の保温材の交換
??水抜き栓フィルターの交換
参考までにDIYで修理が可能な範囲は、主に上記の3点です。
ここに挙げた修理は、資格の保有を問わず、またご自身で工具や部品の調達が可能なものです。
ただし、火傷や感電などの未然防止対策をおこなうなど、注意点を守った作業が必要です。
DIYで給湯器修理してはいけない範囲
??ガス給湯器の内部修理
??ガス管や給水給湯配管の取り外しや取り付けおよび加工
??アース棒を使用するアース線の取り付け(D種接地工事)
ここで挙げた作業には、法律で定められた各種資格が必要です。
また、給湯器メーカーでは、一般の方に給湯器の内部で使用されている部品の販売はおこなっておりません。
ガス給湯器の修理で必要な資格
ガス給湯器の修理では、その工事内容や都市ガスとプロパンガスのようにガス種の違いや、ガス配管の取外しや接続、位置の変更や加工など作業によってそれぞれの資格を有していることが必要です。
■ガス給湯器の修理に必要な資格<一例>
・ガス消費機器設置工事監督者
・ガス可とう管接続工事監督者/ガス機器設置スペシャリスト(GSS)
・液化石油ガス設備士
・給水装置工事主任技術者
・第二種電気工事士
ガス給湯器の修理はどこに依頼する?
ガス給湯器の点検や修理の依頼先は、主に給湯器メーカーや給湯器の設置業者となります。
ただし、賃貸住宅にお住まいの方は、直接業者に連絡をおこなわず、事前に大家さんや管理会社へ連絡をします。
ガス給湯器メーカーと設置業者
給湯器の修理は主に給湯器メーカー(ノーリツ・リンナイ・パロマなど)をはじめ、給湯器の販売を主体としている専門業者や、お使いのガス会社などで対応しています。それぞれ以下のようなご希望で使い分けるとスムーズな修理が可能です。
①給湯器メーカー:点検を含めて修理を希望
②給湯器販売・工事業者/ハウスメーカー・工務店:給湯器の交換を希望
③ガス会社:点検を含めて修理と交換の両方を検討
問い合わせから給湯器修理までの流れ
修理までに関する一般的な流れは以下の通りです。
お問い合わせ ⇒①修理受付 ⇒②訪問日程調整 ⇒③故障診断 ⇒④修理 |
①修理受付
修理受付の窓口は、主に電話(修理受付コールセンターなど)やFAX、インターネットです。
インターネット受付対応の多くの業者では、24時間365日いつでも受付しています。その他の受付時間は各社によって異なります。
②訪問日程等調整
修理受付後、担当者より給湯器の状況確認や訪問日時等の連絡を受けます。
予め、以下の内容について準備しておくとスムーズです。
・現在の給湯器の製品名(給湯器の前板ラベルに表示)
・給湯器の購入日
・修理希望日
・給湯器の症状(詳しい状況)
・現在のリモコンの製品名およびエラーコード
③故障診断
故障診断の実施と修理にかかる作業時間や見積もりの提示をおこないます。
④修理
修理の着手は、部品の在庫状況によって、当日または約3日程度かかる場合があります。
ガス給湯器の修理にかかる費用
ガス給湯器の修理は、上述でお伝えしてきました無償保証期間内であれば無償修理が可能です。
しかし、無償保証期間外の場合は、全て有償修理となります。
給湯器修理費用相場
ガス給湯器の故障は、その原因に対して必ずしも修理箇所が1ヶ所とは限らず、複数の部品が故障と診断される場合もあります。そのような状況下においては、修理費用が高くなる傾向にあります。
また、同じ部品の修理でも、給湯器の機種や修理業者、地域によって修理費用が異なります。
修理箇所 | 費用相場 |
電装系 | 7,000~45,000円 |
燃焼系 | 14,000~43,000円 |
水量制御系 | 9,500~38,000円 |
安全装置 | 7,000~38,000円 |
中和器 | 12,000~25,000円 |
※上記の相場はあくまでも目安です。
故障原因別の修理費用相場
ここでは、上記でお伝えした内容をより詳しく解説していきます。
先にお伝えしておきますと、修理で高額となる代表的な部品は、電装基盤と熱交換器です。
ガス給湯器の機種によって修理費用に幅があり、費用が40,000円以上になることもあります。
修理箇所によっては、数千円で収まるケースもありますが、ご自身の心積もりとしては、最低でも10,000円以上かかることは考慮して下さい。
電装基盤などの電装系の修理費用
■修理費用内訳
項目 | 費用相場 |
部品代 | 7,000~45,000円 |
技術料 | 14,000~43,000円 |
出張費 | 2,000~3,000円 |
電装系の修理とは、配線修理や給湯器の電装基盤の交換など電気系統が主な対象となります。
ガス給湯器は簡単に言うと、電気的に各部品に指令を出して稼働させる仕組みで、その心臓部に該当する電装基盤が運転するにあたって大事な役割を果たしています。
その電装基盤(電装ユニット)の故障については、基盤部品のみで30,000円程度の費用がかかり、修理費用を合計すると、約40,000円以上もかかる場合があります。
バーナーなどの燃焼系の修理費用
■修理費用内訳
項目 | 費用相場 |
部品代 | 7,000~15,000円 |
技術料 | 5,000~12,000円 |
出張費 | 2,000~3,000円 |
燃焼系の修理は、ガスの供給を抑制するガス電磁弁やガスの量を抑制するガス比例弁、バーナーなど、燃焼に関係する部品が主な対象となります。
点火装置の汚れをクリーニングするだけで修理が完了する場合は、比較的安い費用で収まりますが、部品1点をまるごと交換する場合は、最低でも15,000円以上の費用がかかります。
水量サーボなどの水量制御系の修理費用
■修理費用内訳
項目 | 費用相場 |
部品代 | 5,000~20,000円 |
技術料 | 5,000~15,000円 |
出張費 | 2,000~3,000円 |
水量制御系の修理は、通水量を計測する水量センサーや出湯を安定させる水量サーボなど、水の通路に関係する部品が主な対象となります。
比較的故障の多い水量サーボという部品は、水を通る配管から剥離した錆やその他の異物を取り除くだけのクリーニングであれば安い費用で収まりますが、部品の劣化等で交換をおこなう場合は、10,000~15,000円程度の費用がかかります。
立ち消え安全装置などの安全装置系の給湯器修理費用
■修理費用内訳
項目 | 費用相場 |
部品代 | 2,000~20,000円 |
技術料 | 3,000~15,000円 |
出張費 | 2,000~3,000円 |
安全装置系の修理は、何らかの原因で途中失火した場合に、安全上ガスを遮断する立ち消え安全装置や、給湯器内部の異常な高温による事故を未然に防止する過熱防止装置(温度ヒューズ)など、給湯器を安全に使用するための各装置が主な対象となります。
ガス給湯器は、主に6種類程度の安全装置が搭載されています。
・立ち消え安全装置
・過熱防止装置
・漏電安全装置
・不完全燃焼防止装置
・空焚き安全装置
・凍結防止装置
※給湯器の種類によって搭載されている安全装置が異なります。
エコジョーズ特有の中和器の修理費用
■修理費用内訳
項目 | 費用相場 |
部品代 | 3,000~8,000円 |
技術料 | 7,000~15,000円 |
出張費 | 2,000~3,000円 |
中和器とは、エコジョーズタイプのガス給湯器のみに搭載され、機器の特性で発生する酸性のドレン水を中和して機外に排出する役割を担っている部品です。
よくある事例としては、中和器内部や排水をおこなうドレン排水管に異物が詰まることがあり、その場合はクリーニング作業で復旧することができます。
しかし中和器は、約10年相当までの運転に対し中和機能が有効であるとされていますが、給湯器の使用頻度が高ければ、それだけ中和機能を果たす期間が短縮されます。
一般的には使用から10年を超えると中和機能が果たせず、例外なく交換を余儀なくされるため、18,000円程度の出費は覚悟しておかなければなりません。
給湯器修理にかかる時間
修理部品が納品された後は、基本的に担当者1名で修理します。
修理時間は、概ね2~3時間程度を要しますが、複数の部品交換などの修理が必要な場合は、さらに時間がかかり、この限りではありません。
修理完了後は、給湯器の試運転をおこない、正常運転が可能であることを確認します。
万が一、給湯器本来の能力が発揮できないと判断された場合は、再び修理をおこなう、またはそれ以上の修理を中断する場合もあります。
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