お湯を出す能力は給湯器のサイズ=給湯能力で決まる!
給湯器には、都市ガスやプロパンガスのガス種に関わらず、どの機種にもお湯を作る「能力」が設定されています。お湯を作る能力は、日頃から使うお湯の量に関係しており、給湯器を選ぶ上で大切な要素の一つです。
この能力が今の環境に見合っていないことによる日常生活への弊害は「お湯がでない」「急に水圧が弱くなった」など様々です。
このように、能力の弊害がもたらす現象については、多くの方が経験されていることと思います。
そこで今回は、給湯器のサイズ=給湯能力について、環境に合った選び方や能力の違いによる価格差などについて詳しく解説していきます。
給湯器の給湯能力(号数)
給湯器は、一度にお湯を出すことができる給湯能力を号数で表しています。
一般的にご家庭で使用されている号数は、16号、20号、24号の3種類が主流であり、号数が大きいほど、多くのお湯を出すことができます。
また、一般家庭では一つ上の能力をもった28号程度までで十分な能力を発揮すると考えられます。その理由については後述にて説明します。
それ以上になると32号や50号があり、こちらは主に大量のお湯が必要な美容室などの業務用として主に使用されています。
給湯能力の確認
お使いの給湯器の給湯能力は、給湯器の前板に貼られている銘板ラベルに印字されている「型式」で確認することができます。
例えば印字が「RUF-A1610SAW」だった場合、「1610」の前2つの数字「16」が号数を表しています。詳しい号数の見方については、各給湯器メーカーのカタログで確認して下さい。
号数の意味
号数とは、1分間に水温+25℃の湯量を何リットル出すことができるかを表した数値です。
例えば、24号の給湯器であれば、1分間に水温+25℃のお湯を24L出すことができる能力を備えているということになります。この湯量は、1分間に家全体で同時に使用することができる湯量であり、水栓単体による湯量ではありませんので注意して下さい。
号数を選ぶ基準
号数選びの基準は、お湯を不自由なく使用することができるように、一度にたくさんのお湯を使用する状況に合わせて選択することをおすすめします。
では、一度に多くのお湯を使用する場面を思い浮かべてみて下さい。
想定される場面としては、夕方以降のシャワーと台所の同時使用や、朝方の洗面所と台所
などの同時使用が考えられます。
■参考:冬季出湯量の目安(1分間)シャワー 約10L/台所 約4L
給湯能力が必要となる冬季でシャワーと台所でお湯を同時使用した場合、1分間に合計で約14Lのお湯が出湯されます。
これは単純に16号~24号の給湯器を使用する場合は、2L~最大10L分の給湯能力を残しているということになります。しかし、水温や給水圧力、配管径などの諸条件が密接に関係するため、条件によって給湯能力が制限されることを考慮しておく必要があります。
これまでの内容を踏まえて、号数を選ぶ基準は以下の通りです。
家族構成で号数を選ぶ
同時使用して足りるお湯を求める計算が煩わしい、そもそも配管径や水圧にも左右されるのであれば、厳密に計算することができないと思われるのではないでしょうか?
給湯器メーカー各社では、号数の選び方について家族構成を基準とした分かりやすい指標を公開しています。
■家族構成で選ぶ号数の基準例
家族構成 | 使用頻度 | 号数 | 使い方 |
1人 | 1ヵ所での使用 | 10号 | スポット給湯 |
1人~2人 | 1ヵ所での使用 | 16号or20号 | シャワーor洗面orキッチン |
2人~3人 | 2ヵ所での使用 | 20号 | シャワー+キッチンor洗面 |
3人~4人 | 3か所での使用 | 24号 | シャワー+キッチン+洗面 |
計算して必要な号数を求める
家族構成だけで本当にご自宅でお湯を使用する環境に合った号数が選択できているかと言えば、そうではないこともあります。
より現実に見合った号数を選択する手段として、必要な号数を計算して求める方法があります。
■必要な号数を算出する計算式
号数=毎分出湯量(L)×(設定温度-水温)÷25
お湯の使用が一番多いケースの例として、シャワーと台所1ヶ所、その他に洗面所1ヶ所での同時使用を想定して算出してみます。
諸条件:
設定温度40℃/冬季出湯量の目安(1分間)シャワー10L/台所・洗面所4L 水温は7℃と仮定
必要号数=(10L+4L+4L)×(40-7)÷25=23.76
この条件下の場合、24号給湯器がご家庭の環境に見合った給湯能力であることが分かります。但し、24号の能力をフルに発揮するためには給水圧力や配管径などの条件を全て満足する上での出湯量であるため、多少余裕をもたせた選択が望ましいと考えられます。
号数の違いによる給湯器の価格差
給湯器は、一般的に号数が大きくなるに連れて価格が高くなります。
従来型給湯器とエコジョーズ給湯器共に、各給湯器の種類ごとの号数の違いによる価格差は以下の通りです。
従来型給湯器
従来型給湯器は、給湯能力が1ランク上がるごとに約10,000~50,000円の差があります。
■従来型給湯器の価格差
種類 | 号数 | 号数別価格帯 | 価格差 | |
給湯専用 | 壁掛け型 | 16号 | 35,000~65,000円 | 5,000~
50,000円 |
20号 | 40,000~85,000円 | |||
24号 | 50,000~90,000円 | |||
据置き型 | 16号 | 75,000~100,000円 | ||
20号 | 85,000~125,000円 | |||
24号 | 90,000~150,000円 | |||
オート
給湯器 |
壁掛け型 | 16号 | style=”border: 1px #ccc solid;”
75,000~150,000円 |
10,000~
50,000円 |
20号 | 90,000~170,000円 | |||
24号 | 95,000~180,000円 | |||
据置き型 | 16号 | 80,000~160,000円 | ||
20号 | 100,000~180,000円 | |||
24号 | 110,000~210,000円 | |||
フルオート
給湯器 |
壁掛け型 | 16号 | 80,000~170,000円 | 10,000~
40,000円 |
20号 | 100,000~180,000円 | |||
24号 | 110,000~190,000円 | |||
据置き型 | 16号 | 90,000~180,000円 | ||
20号 | 120,000~200,000円 | |||
24号 | 130,000~220,000円 | |||
オート
熱源機 |
壁掛け型 | 16号 | 120,000~190,000円 | 20,000~
40,000円 |
20号 | 140,000~220,000円 | |||
24号 | 140,000~230,000円 | |||
フルオート
熱源機 |
16号 | 130,000~200,000円 | 25,000~
40,000円 |
エコジョーズ給湯器
エコジョーズ給湯器は、給湯能力が1ランク上がるごとに約10,000~60,000円の差があります。
■エコジョーズ給湯器の価格差
種類 | 号数 | 号数別価格帯 | 相場 | |
給湯専用 | 壁掛け型
据置き型 |
16号 | 80,000~110,000円 | 5,000~
20,000円 |
20号 | 85,000~120,000円 | |||
24号 | 90,000~130,000円 | |||
オート
給湯器 |
壁掛け型 | 16号 | 95,000~160,000円 | 10,000~
60,000円 |
20号 | 110,000~180,000円 | |||
24号 | 120,000~200,000円 | |||
据置き型 | 16号 | 100,000~200,000円 | ||
20号 | 130,000~250,000円 | |||
24号 | 150,000~260,000円 | |||
フルオート
給湯器 |
壁掛け型 | 16号 | 100,000~190,000円 | 10,000~
70,000円 |
20号 | 120,000~200,000円 | |||
24号 | 130,000~220,000円 | |||
据置き型 | 16号 | 110,000~220,000円 | ||
20号 | 140,000~280,000円 | |||
24号 | 150,000~290,000円 | |||
オート
熱源機 |
壁掛け型 | 16号 | 130,000~220,000円 | 20,000~
40,000円 |
20号 | 150,000~240,000円 | |||
24号 | 160,000~260,000円 | |||
フルオート
熱源機 |
16号 | 140,000~230,000円 |
30,000~ 40,000円 |
給湯器の号数でお悩みならプロの業者に相談
「お湯は不自由なくたっぷり使いたいけれども、号数が大きくなれば初期費用も高くなると考えたら、どれを選んだらいいのか分からなくなる」
このようなお悩みを解決するためには、プロの業者へ相談することが一番です。
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